膝の内側の痛みから考えられる疾患とその治し方

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膝の内側の痛みから考えられる疾患とその治し方

膝の内側の痛みで、様々なスポーツ競技のけがで悩んでいる選手や、自力歩行でお困りの高齢の方など膝の痛みでお悩みの方は非常に多く見られます。

膝の内側に痛みがある場合、どのような疾患、けがが考えられるか?

膝の内側の痛みの原因は?

  • 骨盤、腰椎のずれ、歪みから体の重心が片側の膝、足に負担がかかることで痛みがでる
  • スポーツでは、ランニング、ウォーキングなど体の使い方、バランスが均一でないため膝への負担がかかる
  • ジャンプ、着地を行う競技、例えばバレーボールやバスケットボールなど、
  • スポーツ、仕事や日常生活でのけが、

など様々な理由が考えられます。

一般的多く見られる疾患の中から、膝の内側の痛みの原因、疾患とその対処法についてご説明致します。

膝の内側の痛みの代表的な疾患

1)変形性膝関節症

2)鵞足炎(がそくえん)

3)内側側副靭帯損傷

4)内側半月板損傷

1)「変形性膝関節症」ってどんな疾患なの?

高齢者に多く見られる疾患です。

殆んど方がO脚になり、膝の内側にストレスがかかるために痛みを生じます。

特に症状は、階段を下りる際に強い痛みを感じます。

簡単に言うと骨の老化の一種です。

大腿骨と脛骨の表面の軟骨がすり減り、滑りが悪くなって動かすと痛みがあります。

また炎症を起こすと関節水腫を言って水がたまることもしばしば見られます。

好発年齢は、中高年の女性に多く、特にO脚の場合、膝の内側に負担がかかって症状が出るケースが多いです。

膝の内側が歩くと痛いのですが、歩けなくなることもあるのでしょうか?

症状がひどくなると、骨が露出し、痛くて足の曲げ伸ばしが困難になります。

そうなると日常普通に歩くのは大変です。

大腿骨と脛骨の間には、軟骨の一種でできた「半月板」と呼ばれる自然のクッションがありますが、軽度の場合これが劣化して断裂する半月板損傷を伴うことが多くあります。

変形性膝関節症の治療法は、保存療法が原則です

軽傷、重症を問わず、なるべく膝に負担をかけないようにし、筋力強化を行うことが大切です。

また半月板損傷を伴う場合、損傷した半月板の一部を簡単な手術で取り去ることもあります。

足の内側に負担がかからないよう、足の裏に足底板といった外側が高くなっているインソールを靴の中に入れることも対処法の一つです。

すり減った軟骨は完全に元には戻りませんが、現状を維持し、関節面へのストレスを軽減できれば進行が止まり、ふじゅうしなく生活もできるようになります。

重症の場合、現在手術後のことも考え、人工関節が多く普及されるようになっています。

まず症状を感じた時は、早めに膝の内部を直接見る内視鏡検査を受け、半月板損傷の有無をチェックした方がよいかも知れません。 

膝の内側の痛みで多いランニング障害は?

2)膝 鵞足炎(がそくえん)とは?

鵞足炎とは、膝のスポーツ障害の代表的な疾患の一つです。

陸上競技やサッカーなど使い過ぎで起こる筋肉や靭帯の炎症で膝の内側の痛みがあります。

鵞足部と言われる箇所には、骨との摩擦を防ぐ鵞足包があり、この滑液包や腱の炎症を鵞足炎と言います。

鵞足包は、鵞足(薄筋、縫工筋、半腱様筋の腱膜)付着部と内側側副靭帯の間にあります。


この鵞足が内側側副靭帯や脛骨骨膜との間で摩擦を起こすため、鵞足包に炎症を起こします。

症状がでる要因としては、ハムストリングスの拘縮、外反膝、大腿骨の前念、脛骨の外旋によって発生することが考えられます。

鵞足炎の症状は、膝の前内側部を押すと痛いことです。

特に走行距離が増えると痛みは増強します。

膝の屈伸動作で膝の内側を曲げると痛い、膝の内側を伸ばすと痛いと言った症状の他、鵞足部に雑音を感じることもあります。

鵞足炎の治療期間はどのくらいかかるの?鵞足炎が治った症例

鵞足炎を改善するためには、膝の内側だけを治療するだけでは、体の重心、バランスを整える必要があります。

練習中や練習後に痛みがある場合は、必ず患部のアイシングを行います。

アイシングは、15分行い、10分休息後再度アイシングを行います。

通常2~3回繰り返しアイシングを行います。

その後温め、患部を安静にします。

通常膝の屈伸動作での痛みがある場合、鵞足部の圧痛が著明な場合は、ストレッチは行わない方がよいです。

ストレッチは、患部の腫れ具合によって見極めが必要なことがしばしばあります。


ここでは、誰でも出来る一般的なケアになります。

ストレッチ方法やインソールなどを含めた対策も色々ありますが、今回は当院独自の治療方法である骨格治療とマッサージ法による改善方法を解説致します。

改善事例1/14歳、中学2年、男性、種目:1500m、3000m

改善事例2/17歳、高校2年、男性、種目:1500m、5000m

改善事例1)

練習中及び練習後、左膝の内側の痛みを感じていたが、ある日練習中痛みを発症しました。

痛みの改善するにあたっては、体の重心、バランスのチェック、ナーボスコープ、触診して原因を特定し、治療を進めていきます。

症状は、骨盤右PI(腸骨))のずれがあり、アジャストメント(矯正)、その後患部を独自のマッサージを施しました。

3~4週間程治療、経過観察を行い、自宅では入浴後にストレッチ指導を行い改善に至りました。

膝の痛みを改善するには、膝の内側だけを治療するだけではなく、体の重心やバランスを整えてから患部の治療に移ることで良い結果が得られます。

改善事例2)

ランニング中に膝の内側の痛みに激痛が走り、練習を中止する。

膝の少し後方内側を押すと激痛があります。

ストレッチを行ったが、さらに症状がひどくなり来院。

治療は、患部のアイシングを徹底し、ストレッチは痛みがするまで、中止する。

患部の治療は、全体の2割程度で、特に鵞足部移行部の腱から筋肉にかけてマッサージを施し、膝蓋骨の可動性が悪くなっているため、膝蓋骨の矯正を含めて治療を行いました。

1週間ほどは、軽いジョグ程度、屈伸動作や疼痛及び腫れが軽減してきたら、徐々にスピードと距離を増やしていく練習を行うようにします。

おおよそ痛みは2週間程で軽減、3~4週間の経過観察を行い、自宅では入浴後にストレッチ指導を行い改善に至りました。

3)内側側副靭帯損傷とは?

膝靭帯損傷の中でも内側側副靭帯は、最も頻度の高い外傷です。

特にスポーツでは、アメリカンフットボール、ラグビー、柔道などのコンタクトスポーツで膝の外側に乗られ、膝の外反強制された時に発症します。

またスキー滑走中の転倒や、体操、バスケットボール、バレーボールなどの着地で、下腿が外反強制された時に発症します。

内側側副靭帯損傷の痛みとは?どんな感じの痛みなの?

受傷時に、膝の内側の激痛とともに、バキッっと音を感じることもあります。

損傷してから2週間までの急性期には、膝が曲がらないなどの膝の可動域制限と腫れがあります。

急性期を過ぎると痛みや腫れ、膝の可動域は改善されてきます。

しかし、損傷によっては半月板損傷も合併して起こることもあるので、その後の経過観察でチェックしていく必要があります。

4)内側半月板損傷

半月板は、膝の衝撃を和らげる言わばクッションの役割があり、内側と外側に半月板があります。

内側半月板損傷は、スポーツや日常生活での“ひねり”動作で発生します。

膝に荷重による圧迫力と、膝の回旋による剪断力が合わさって半月損傷や軟骨損傷が発生します。

体重が重い人などは、絶えず膝に負担がかかるために加齢による組織変性で、内側半月板が傷んでくることがあります。

膝の内側は構造的に、前述で述べた内側側副靭帯と内側半月板、合併症として前十字靭帯も、一緒に損傷することもあります。

特長的な症状は、損傷した半月がロッキングというひっかかり兆候として、膝が完全伸展できなくなり、慢性期では関節水腫が溜まることがしばしばあります。

膝の内側が痛い時の対処法としてサポーターやテーピング法があります。

対処法①マッサージ

一般的には、損傷部の治癒力を高めるためにマッサージが有効と考えています。

柔整マッサージ法や徒手矯正によって、関節のアライメントの修正、血行を良くして、筋肉の緊張を弛めることで損傷部の症状緩和に繋がってきます。

対処法②テーピング・サポーター

膝への負担やストレスを抑えるには、テーピングやサポーターが有効です。

テーピングやサポーターで痛みを感じるとこでの、関節の可動域を制限すれば、患部の負担を減らしながら活動することができます。

サポーターは、自分で簡単に装着でき、取り外しがいつでもできるので、メリットとしてテーピングに比べ使い勝手がよいです。

テーピングのメリットは、細かく筋の走行に固定ができ、動かしてはいけないところの調整が出来る点でよいです。

どちらが良いかは、専門家の指導の下で行うと良いでしょう。

対処法③サプリメント

症状の改善には、治療以外にグルコサミンやコンドロイチンも食事同様に体の損傷を補うために欠かせない栄養素であります。

あくまでも健康補助食品ですので、食事でしっかり栄養を摂ることで、治癒力の手助けになればと考えてください。

整体、カイロプラクティックでの対処

体を治していくには、全身治療は不可欠と考えています。

時間が経つにつれ、様々なところに負担がかかり、今までなかった症状がでることで、益々症状を進行させてしまいます。

慢性疾患になると複数の箇所で症状があらわれることになります。

まとめ

以上、膝の内側の痛みから考えられる疾患とその治し方について紹介してきました。

上記で紹介した膝の内側の痛みは、いずれも関節面や靭帯付着部にストレスがかかって、筋肉にもダメージが蓄積している状態です。

自分の症状に照らし合わせて、適切な処置を行うことで、痛みを早期に回復できます。

何事も考えていては解決には至りません。

こつこつと積み重ねていけば、遅かれ早かれ症状は変化してきます。

何事も意識をもって取り組むことです。そうすると治癒力がアップしますよ!

 

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この記事を書いた人

大須賀 昭 Oosuga Akira

院長
資格柔道整復師免許(国家資格)

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