自分で治すことができる!?野球肩の痛みをとるマッサージ方法
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「自分で治すことができる!?野球肩の痛みをとるマッサージ方法」
野球をしたことがある人ならば、一度は聞いたことがある野球肩。
野球肘同様、ボールを投げるという動作は思っている以上肩に負担がかかっています。
特に成長期である小・中学生の時期は、まだ身体が成長段階なので、投げるフォームが悪いと野球肩になりやすいリスクがあります。
野球肩になってしまうと、全力で投げれるようになるまで時間がかかり、障害を残してしまうこともあります。
そうならないためにも野球肩に付いて理解し、ご自身でも出来るマッサージで改善・予防してもらえればと思います。
目次
まずは野球肩の種類をチェックしよう
野球肩とは、投球障害の疾患の総称になります。
野球肩の種類としては
・リトルリーグショルダー(上腕骨骨端線障害)
・インピンジメント症候群
・肩関節不安定症
・肩関節唇損傷
・上腕二頭筋腱炎
など様々な病態をひっくるめて野球肩といいます。
リトルリーグショルダー
小中学生にみられる上腕骨の成長線である骨端線の成長障害です。
痛みのあるまま無理に続けていると成長線のところで障害を残してしまうほか変形を起こす場合もあります。
インピンジメント症候群
肩を挙げていくときにある程度の角度で痛みや引っかかり感を生じてそれ以上肩を挙げることができなくなる疾患です。
肩の安定性を保っているインナーマッスルの筋肉や関節を覆っている袋などが挟み込まれることで症状が生じます。
肩関節唇損傷
肩関節は実は骨同士では不安定な関節なのですが「関節唇」とよばれる組織によって関節の受け皿を大きくして安定性を増しています。
繰り返しの投球動作でこの関節唇を傷めてしまう症状が関節唇損傷という疾患です。
上腕二頭筋腱炎
その名の通り上腕の力こぶを作る筋肉である上腕二頭筋が炎症を起こしてしまう疾患です。
どの疾患にも言えることですがまず痛みが出たら投球動作を中止することが必要です。
野球肩の痛みの場所が前か後ろで病態が違う!
肩の前側が痛む野球肩
肩の前側で痛む野球肩で一番多いのが「上腕二頭筋腱炎」です。
上腕二頭筋は上腕骨の上の方の肩に近い部分にある結節間溝と呼ばれる付近で90°近く急に曲がり肩甲骨に付きます。
上腕二頭筋腱炎で一番痛みが出やすいのは構造上、この結節間溝の部分で炎症が起きることが多く、この部分に圧痛があれば上腕二頭筋腱炎と判断することも出来ます。
また小胸筋という胸の前側にある筋肉は肩の前側に付着しているので、小胸筋が固くなっていても肩の前側に痛みが出ることがあります。
肩の後ろ側が痛む野球肩
野球肩で肩の後ろ側に痛みが出る疾患としては、関節唇損傷や腱板断裂・損傷によって痛みが出ることが多いです。
関節唇損傷では、上腕の後ろ側の筋肉である上腕三頭筋が付着しているところが肩の後ろ側の関節唇の場所です。
なので、投球動作の中でもフォロースルー期といってボールを話した後の腕を振る動作の繰り返しによって上腕三頭筋が引っ張られて、結果的に関節唇損傷を発症してしまいます。
腱板損傷では一番多いのが棘上筋という筋肉が身体の構造上痛めやすいのですが、肩の後ろ側で痛みを生じやすいものとしては「棘下筋」という筋肉を傷めた時に起こりやすいです。
この棘下筋は肩甲骨の下側に付いており、棘上筋に続いて繰り返しの投球動作によって痛めやすい場所です。
野球肩は治らないと手術になる?
野球肩のほとんどは手術をしないでも保存療法で治ります。
ですが、ただ休んでいればそのうちに痛みがなくなるというわけではなくどうして痛みが出ているのか?痛くなってしまった原因はなんなのか?投球フォームはどこが悪いのかなどを判断して改善していく必要があります。
しかし、それでも治らない場合もあります。
それは、筋肉の調整や身体の歪みやフォームの改善だけでは良くならないものです。
どういう状態なのかというと骨や軟骨などの組織自体を傷めている状態や、腱が完全に断裂しているものなどです。
例えば、腱板といい肩関節の安定性を保っているインナーマッスルの腱が完全に断裂してしまう「腱板断裂」、先ほどにも紹介した関節唇損傷が酷くなり関節唇が断裂して重傷な「関節唇断裂」などの場合は手術をすることがあります。
野球肩のストレッチ方法と治し方
野球肩のストレッチ方法
野球肩で肩周辺の問題となるのが、肩関節の後方の筋肉や軟部組織の柔軟性の低下です。
後方の柔軟性の低下が起こることによって肩関節の可動域制限が起こることにより、筋肉や腱の損傷や投球時に肩関節を安定させることが出来なくなります。
その結果、その状態で繰り返し投球動作を繰り返すことによって野球肩へとなってしまうのです。
そうならないためにもご自身でしっかりと肩関節後方のストレッチを行い柔軟性を保ちましょう。
肩関節後方のストレッチ①
1、まず横向きになって行うので頭の位置が身体の真ん中に来るような高さになるように、枕やバスタオルを用意します。
2、枕かバスタオルを敷き、ストレッチをする側を下にして腕を肩の位置に合わせて伸ばします。
3、肘を90°に曲げ前腕を立たせ、ゆっくりと内側に倒していきます。
4、内側に行かなくなったところで反対の手でさらにゆっくりと倒していき、倒せる限界の位置で30秒キープ×3回繰り返します。
肩関節後方のストレッチ②
1、先ほどの2までは同じで肘を90°に曲げ反対側の手で肘を持ち顎下に付くように持ち上げてストレッチしていきます。
2、肩甲骨周りが伸びている感覚を感じながら30秒キープ×3回繰り返します。
肩関節後方のストレッチ③
1、ストレッチ②肘を持つところまでは同じですが、今度は顎下ではなく腕が鼻に付くような高さで肘を持ち上げていきます。
2、②と同様肩甲骨周りが伸びている感覚を感じながら30秒キープ×3回繰り返します。
野球肩の治し方
野球肩の早く治すのに必要なことは...
1、投球時に痛みを感じたら投球数を減らす。それでも痛いようであれば投球動作を控えて安静を保つ。
2、投球動作を控えて安静にしている期間に治療を行う。
3、自分でも肩関節周辺だけはなく、肩甲骨周りや体幹、股関節など身体全体のセルフストレッチを行う。
4、負担がかかりにくいようなフォームへの改善、肩周りのインナーマッスルの筋力強化。
上記の4つをしっかりとすることが野球肩の改善への近道です。
野球肩の痛みをマッサージでとる方法
4のところでお話ししましたが野球肩の多くの肩周辺の問題としては、肩関節の後方の柔軟性が低下していることにより負担がかかりやすくなり野球肩になりやすくなってしまいます。
そうならないためにもご自身でもちょっとした時間に簡単に出来るセルフマッサージをお伝えします。
肩後方のセルフマッサージ
1、マッサージしたい方の脇の下の少し背中よりにつかめるお肉のところ(なるべくより脇の上から肩甲骨の外側を掴むとより効果的です)を反対の手でつかみます。
2、その状態から腕をなるべく大きく回します。
※腕を大きく回すのですが肩甲骨から回すイメージで行うとより効果的です。
3、前まわし×10回、後ろ回し×10回行います。
まとめ
成長期である小・中学生の時期は多少のフォームの崩れがあっても身体がまだ柔らかいので痛みに気づきにくく、思っている以上に負担や肩周辺の筋肉が固くなってしまっています。
正しい投球フォームを早いうちから身に着けることと、痛みが出る前に普段からのストレッチや身体のアフターケアを怠らないようにしましょう!
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