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「テニス肘が治らない原因と改善方法」
確かな治療法がないまま痛みが長期間続く、いつ治るのかわからない、慢性化してしまうかもしれないテニス肘の痛み。
そんな痛みに悩まされ、マッサージや電気治療、ステロイド注射など有効と言われる治療は様々ですがこれといって確実な治療法がないのが慢性化してしまう理由です。
確実な治療法があれば痛みは、長期化せず日に日によくなっていきます。
今回は、そのようなテニス肘が治らない原因とその対処法について解説致します。
目次
テニス肘の診断を受け、治療をしても治らない原因とは
テニス肘の痛みが改善しない3つの原因とは
テニス肘になる原因は、主に手首、指の使い過ぎです。
テニス肘には、外側に痛みが出る『上腕骨外側上顆炎』外側型と内側に痛みが出る『上腕骨内側上顆炎』内側型に分類されます。
肘が原因と思われがちですが、肘の外側での痛みは、『上腕骨外側上顆炎』と言って、指から肘まで走行する指や手首を伸ばし、手首を内側に捻る動作の筋肉が関わっています。
一方で肘の内側での痛みは、『上腕骨内側上顆炎』と言って、指から肘まで走行する指や手首を曲げ、手首を外側に捻る動作の筋肉でが関わっています。
このような症状を『ゴルフ肘』とも言います。
なぜテニス肘は改善しないのか?治らない原因は3つあります
治療がしっかり行われていない
痛みを改善するには、テニス肘に限らず、治療するポイントや治療技術に左右されます。
治療は、肘のみではなく、首、肩や肩甲骨、全身のバランスと言ったトータル的なケアが必要です。
近年では、パソコンやスマホの使い過ぎによってテニス肘になることもあります。
テニスは、肘だけを使うスポーツではなく、手首、腰や膝など全身を使った運動です。
手首を酷使することで、肘以外の関節の動きや柔軟性が低下することが治癒力を妨げ、治らない状態に陥ってしまっています。
テニス肘の症状がなかなか治らないのはそういった理由があるから症状を拗らせてしまっているのです。
ステロイド注射を打ち続けている
整形外科では、痛みの治療で、消炎鎮痛剤、湿布薬が使われます。
痛みが強い時は、ステロイドの局所注射を打つことになります。
この段階で痛みが治まれば、このまま何もしないで過ごすことになることが多いかと思います。
一方では、注射が効く人と効かない人の違いもあります。
特効薬でもない注射をなぜ打ち続けるのか?
注射を打つ人の多くが、痛みが一時的に治まるからまた注射を打つのです。
注射は、あくまでも痛みを抑える一時的な特効薬とし、原因をしっかり見極め治療を行うべきと考えます。
肘関節外側上顆炎の原因となる筋肉をサポートできていない
テニス肘にサポーターは効果的なの?と思われる人もいるかも知れませんが、しっかり運動点を圧迫固定出来る医療用肘サポーターを使用すれば、高確率で痛みは軽減してきます。
テニスでサポートする以外でも仕事でずっとパソコンを使う方や手先の作業が多い方、物を持ったりすることが多い仕事の方はなかなか肘を休ませてあげることが出来ません。
そういった方に少しでも肘の負担を抑えて、肘を休ませてあげるためのエルボーバンドと言う、テニス肘用の専用サポーターがあります。
少しでも肘の負担を減らしてあげるためには効果的です。
ですが、エルボーバンドに関して注意点が2つあります。
1つは、しっかりと適切な場所に装着してあげることです。
2つ目は、装着している時間になります。
テニス肘の対策
長時間パソコンを使用する人は、使い方を少し工夫することで、テニス肘を予防することができます。
テニス肘の原因は、主に手首や指の使い過ぎが要因となります。
対策としては、キーボードやマウスを使う際には、肘から前腕部が手首より少し高くなるようにすると負担が少なくなり、負担軽減効果が得られます。
何よりも重要なことは、パソコンを使い過ぎず、仕事中に適度な休養とストレッチなどを行うことです。
そういった積み重ねがテニス肘の予防に繋がります。
テニス肘を改善する3つのポイント
テニス肘で保存治療が有効であるというガイドラインは以下の通りです。
下記1~3を実行することで、6カ月~1年以内に90%症状が治癒します。
1、テニス肘サポーター(エルボーバンド)を装着する。
2、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)、湿布薬を使用する。
3、強く握る動作を避け、物を持つ時は脇を締め手のひらを上に向ける位置で行う。
保存治療で重要なことは、重症化させないためにも早期に治療し、症状を慢性化させない配慮が必要です。
ステロイド注射は一時的な疼痛緩和に有効ですが、注射を打つ頻度が最大3回まで、少なくとも1カ月以上の間隔をあけないと注射ができないということです。
その理由は、ステロイド注射を何度も打つとテニス肘を慢性化及び難治化させる危険性があるからです。
治療法は、保存療法が原則で手術は稀です。
保存療法では、電気療法、レーザー療法、マッサージ、ストレッチ、テニス肘用サポーターが主な改善方法です。
痛みが強い人は、ステロイド注射、自己多血小板血漿(PRP)療法,体外衝撃波療法などがあります。
また手術療法では、関節鏡を用いた伸筋腱起始部を切離する方法などがあります。
まとめ
テニス肘の有病率は、全人口の1~3%との報告があり、日常多く遭遇する疾患です。
テニス肘の病態は、上腕骨外側上顆における前腕伸筋群起始部の腱付着部の炎症です。
特に短橈側手根伸筋の起始部腱付着部炎が起きることで痛みを発症します。
6カ月~1年以上保存治療を行っても症状が改善しない難治性テニス肘は手術治療の適応です。
代表的な手術は、関節内から肘関節鏡視下手術で病的組織を低侵襲に切除する方法です。
このテニス肘の手術は80%以上で症状改善という症例報告があります。
一方テニス肘で保存治療が有効であるというガイドラインに基づき、早い段階で質の高い治療を行うことで約12~18カ月で自然軽快することができます。
肘の痛みがなかなか治らない場合は、もう一度原因と対処法を見直してみて下さい。
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