野球肘の痛みに対する治療法と自分でも出来るマッサージ

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「野球肘の痛みに対する治療法と自分でも出来るマッサージ」

男女問わず誰でも一度はキャッチボールをしたことがあると思います。

子供のときは体が柔らかいから少しの時間なら問題ありませんが、大人になってから久しぶりにキャッチボールをすると肘や肩が痛くなりませんか?

ボールを投げるという動作は思っている以上に肘に大きな力が加わっています。

今回は子供の野球障害の中でも特に多い野球肘についてお伝えします。

野球肘のチェック方法。野球肘でもバッティングは可能?

野球肘の原因と症状

野球肘とは、投球及びスローイング動作により繰り返し行われるオーバーユース(使いすぎ)によって、肘の内側・外側・肘頭(肘の一番出っ張っている場所)に発生する投球時の痛みが症状のスポーツ障害です。

野球肘は、野球だけに限らず投げるスポーツであれば起こる可能性があり、バドミントンなどの腕を振るようなスポーツでも起こる可能性があります。

この中でも野球肘で一番多い場所が内側です。

症状の場所によって病態は変わり、内側では肘の内側にある靭帯や肘の内側を通過している尺骨神経がストレッチされ損傷することがあり、重傷な例では肘の内側の出っ張っているところに付いている筋肉の牽引力によって骨が引き剥がされる剥離骨折を起こすこともあります。

外側では外側の靭帯を損傷することがあり、重症例では骨の壊死や、軟骨が関節内で剥がれ落ちる離断性骨軟骨炎などを起こすことがあります。

後方である肘頭の場合は、剥離骨折や疲労骨折を起こすことがあります。

野球肘の症状は内側なら肘の内側に圧痛、痛めた場所に必ず圧痛や投球時痛があります。

また場所によって肘の関節がある角度から伸ばせなくなるロッキング症状や肘の可動域制限、内側では手の小指側のシビレを生じることもあります。

野球肘のチェック方法

野球肘はある程度自分でもチェックすることができます。

肘全体のチェック

肘のどこかに痛みや腫れがないか?

また、肘を曲げた時に痛くない方と比べて曲がりが悪くないか?

伸ばした時に痛くない方と比べて肘の伸びが悪かったり、痛みがある場合は肘に何かしらの異常が考えられます。

肘内側のチェック

まずは肘の内側の出っ張りの少し下側に圧痛や腫れがないかをチェックしてください。

さらに、肘外反テストとこれは第3者がいないとできませんが、肘を少し曲げた状態で片方の腕は上腕をもう片方の手は手首をつかんでゆっくりと肘を外側に開きます。

この時に痛みを感じる場合は野球肘の可能性が非常に高いです。

肘外側のテスト

肘の内側のチェック方法と同じで肘外側の出っ張りの少し下に圧痛や腫れがないかチェックします。

これも内側と反対で肘内反テストといい先程と逆で、同じ要領で今度は肘を内側に閉じていきます。

この時肘の外側に痛みがあれば野球肘の可能性が非常に高いと思われます。

肘頭のテスト

肘頭の部分に圧痛や腫れがないか、また肘を曲げた状態から伸ばしたときに、肘頭部に痛みがあれば野球肘が疑われます。

野球肘の剥離骨折の診断はレントゲンが必要?

整骨院や治療院でも野球肘かどうかを判断することはできますが、剥離骨折があるかどうかまではっきりとは判断することはできません。

従って、痛みが強い場合や痛みが長期にわたる場合は整形外科でレントゲンを撮影し、剥離骨折の有無があるかどうかを診断する必要があります。

剥離骨折と言っても骨がポキッと折れる骨折と同様にしっかりとした固定をして安静を保ち、骨がしっかりできるまで肘を使うことができません。

レントゲン所見としては内側では上腕骨内側上顆(肘の内側の出っ張り)の骨が分厚くなっていたり、骨端線といい骨が成長する部分が障害されたりします。

外側では外側の関節を作っている骨の変形や骨が剥がれる遊離骨片、後方では肘頭の疲労骨折等の骨折を認めることがあります。

野球肘の外側型は治らないで手術になる?

野球肘の外側型は離断性骨軟骨炎と呼ばれるタイプで、肘の関節の外側部分の軟骨を傷めてしまう状態の野球肘になります。

小・中学生の時期に起こることが多く、しっかりと治しておかないと肘の変形や肘を曲げたり伸ばしたりの可動域制限が残ることがあり、今後も野球などスポーツを続けていくのであれば将来を大きく左右してしまうことにもなりかねません。

外側型の野球肘はとにかく早期発見が重要です。

早期発見が出来れば問題なく治ることがほとんどですが、離断性骨軟骨炎の状態を放置しておくと肘の障害を残してしまい、スポーツを続けるのを断念しなければならない可能性もあります。

今後もスポーツを続けていく場合は、進行してしまった離断性骨軟骨炎や、関節が不安定になってしまう外側型の不安定型は手術をしなければ治らない可能性が高いです。

また、野球肘の外側型は軟骨を傷めているので初期ではレントゲン写真ではわかりません。

その場合はMRI・CTなどの精密検査が必要です。

野球肘を早く治す方法や治療期間は?トレーニングは必要?

野球肘を早く治す方法と治療期間

野球肘を早く治す方法は何よりも早期発見・早期治療です。

まずは肘の痛みがある場合は基本的には投球動作を一定期間中止します。

小・中学生は成長期で骨の成長も一番成長する時期なので無理に続けてしまうと肘に障害を残してしまうことも少なくありません。

投球動作の中止は、出来れば2~3週間はあったほうが望ましいです。

投球動作を中止しているその間はしっかりと治療を行いましょう。

治療期間としては程度にもよりますが早期発見した場合でも、最低でも全力で投げれるようになるまで1ヶ月以上はかかります。

また、肘の痛みだからと言って肘ばかり治療しても治りが遅いですしまた再発する可能性があります。

投球動作は肘だけを使うだけでなく肩や手首、肩甲骨・股関節など身体全体を使って投げるので、身体が固くなっていたり、関節に可動域制限があることで肘に負担がかかりやすくなってしまいます。

なので、治療を行う場合はしっかりと全身を見てくれる治療院で治療をすることをオススメします。

野球肘に対するトレーニング

野球肩に対しては肩の安定性を保っている肩のインナーマッスルを鍛えることが必要ですが、肘の場合は身体全体の歪みや可動域制限、投球フォームなどが原因になるので、肘自体の筋力トレーニングはあまり効果的とは言えません。

肘の場合はトレーニングよりも肘周りの筋肉が固くなり癒着等をしているので、そういった部分をしっかりとほぐしてあげる方が重要です。

野球肘を予防するストレッチとマッサージ方法

投球動作は上肢・下肢・体幹の身体全ての一連の動きで成り立っています。

身体のどこかで可動域制限などがあり動きが悪くなると肘に負担が増えて痛みの原因となってしまいます。

そうなる前にまずはご自身でストレッチをして身体の負担を減らしましょう。

肘周辺のストレッチ

1、手のひらを上にして肘をしっかりと伸ばした状態で反対の手で指を覆うように包み手のひらを前に突き出すように手首を曲げてストレッチします。

2、30秒を3回程繰り返します。

肘周辺のセルフマッサージ

肘の曲がるところの少し下やその内側辺りは肘の筋肉同士が癒着しやすく、固くなりやすい部位です。

ここが固いと肘の痛みが出たり、肘の可動域制限の原因になるのでご自身でしっかりとセルフマッサージをしましょう。

1、肘を緊張させない様にテーブルの上に置き90°に曲げ手の甲を上に向けたままで、肘の曲がるところの少し下やその内側辺りを反対の指を使って気持ちいい程度に揺らすようにマッサージしましょう。

肘周辺のストレッチ・マッサージに加えて肩関節、体幹、股関節のストレッチも加えるとより速く改善します。

まとめ

野球肘は野球少年の特にピッチャーは非常になりやすい疾患です。

ですが、早期発見・早期治療によって治らない疾患ではないのも事実です。

投球動作は全身を使う動作なので、肘周辺の治療だけではなく体全体のケアも日頃から怠らずにご自宅でも行うようにしましょう。

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この記事を書いた人

大須賀 昭 Oosuga Akira

院長
資格柔道整復師免許(国家資格)

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