梨状筋症候群の診断、治療法と効果的なストレッチ方法
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「梨状筋症候群の診断、治療法と効果的なストレッチ方法」
「座っているとお尻や太ももに痛みやしびれがある」「5分以上立っていられない」そのような症状がある場合は、梨状筋症候群の可能性があります。
ここでは、梨状筋症候群の原因や症状、完治させるためになにを行うべきかを徹底解説していきます。
お尻や太ももにしびれがあり、足首や足指をスムーズに動かすことが出来ない場合は、是非ご覧ください。
また、本記事の後半では、ご自宅でできる「梨状筋」の簡単なストレッチ方法をご紹介するので最後までお見逃しなく!
目次
梨状筋症候群とは
梨状筋症候群は、梨状筋という臀部(おしり)にある小さな筋肉が坐骨神経を圧迫し、坐骨神経の痛みや痺れを伴う疾患です。
梨状筋が坐骨神経に圧迫を加えることで、坐骨神経痛(臀部から脚にかけての痛みやしびれ)が発生します。
「梨状筋」は、お尻の深層部にある筋肉のことを指します。
日常生活や、スポーツなどによって梨状筋が固くなってしまい、梨状筋の下を通る坐骨神経を圧迫することを「梨状筋症候群」と呼びます。
坐骨神経が圧迫されるため、臀部だけでなく太ももにもしびれなどの痛みが出るケースもあります。
「梨状筋」はほぐしにくい上に、鍛えることが難しい筋肉なので、根気強く対処していかなければなりません。
梨状筋症候群の治し方は、ブロック注射で筋肉を柔らかくして安静にしておくことが有効的です。
また、重度の場合は手術を行い、梨状筋を切開する方法も選択肢に含まれます。
基本的には、大きな手術は必要なく保存治療で完治させることができると言われています。
坐骨神経を圧迫しないように、梨状筋を柔らかくするようにストレッチやマッサージを行うといいでしょう。
さらに、梨状筋に負担がかかりにくい姿勢に改善したり、トレーニングを行ったりして神経の圧迫を防ぐことが重要です。
梨状筋症候群を完治させたい場合は、整骨院や整形外科を受診して正しい知識のもと、改善策を実施してください。
梨状筋症候群の原因!セルフ診断でテストしよう
お尻や太ももに痛みが出た場合、何が原因なのか知りたいですよね。
梨状筋症候群は、原因がハッキリしていないことが特徴的。
そのため、前日にハードな運動を行ったり、重たい荷物をもったりしてなくても、突然痛みが現れるものです。
思い当たる原因がないけど、お尻や太もものに痛みを感じるのであれば梨状筋症候群かも知れません。
また、考えられる原因には「姿勢の悪さ」「中腰で行うスポーツ」「左右非対称のスポーツ」「肥満体型」があげられます。
以下のテストを行ってみて、梨状筋症候群の可能性をチェックしてみてください。
- バレーボールやバスケットに励んでいた
- テニスやゴルフなどの左右非対称なスポーツを行っている
- 肥満傾向である
- 猫背や反り腰をまわりから指摘されたことがある(または自覚している)
- お尻の深層部が痛い
- 足首や足指が動かしにくい
これらの中で気になるものがいくつかある場合には、梨状筋症候群の可能性があります。
とくに、臀部に痛みがあったり、足首や足指がスムーズに動かせない場合は、病院を受診しましょう。
肥満体型や姿勢が悪い場合は、梨状筋症候群以外にもほかの病気になりうる可能性が高いのでこの機会に改善をしてくださいね。
まず、自分が肥満であるかを把握するためにBMIチェックをしてみてください。
「BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)」に当てはめることで、ご自身のBMI数値を確認することができます。
この数値が25以上の人は、生活を送るだけで足腰に負担がかかりやすいので、積極的に減量をしましょう。
猫背や反り腰などの悪い姿勢の方も、足腰に負担がかかりやすいため正しい姿勢に改善をする必要があります。
正しい姿勢に改善させるには、カイロプラクティックや整骨院を受診して、プロの力を借りるとことを推奨します。
梨状筋症候群を治すためや、今後これらの症状が現れないようにするために、正しい姿勢を身につけておきましょう。
梨状筋症候群の症状
以下、梨状筋症候群の一般的な症状になります。
・臀部から下肢への痛み
最も特徴的な症状は、臀部から始まり、大腿部、膝、下腿、足の甲、足の裏に放射状に広がる痛みです。
坐骨神経の圧迫によって、足しびれやピリピリ感が起こります。
・姿勢や運動で悪化する痛み
特定の姿勢や運動により症状の悪化を引き起こすことがあります。
例えば、長時間座っていると姿勢により痛みが増すことがあります。
また、階段の上り下りや長時間歩行なども症状の事態を悪化させることがあります。
・臀部の痛み
梨状筋周辺に痛みが生じることがあり、この痛みは臀部の深部に感じられることが多いです。
・腰痛
坐骨神経痛の症状として、腰部に痛みが現れることがあります。
・歩行の困難
症状が重篤化すると、歩行が困難になることがあります。
これらの症状は個人によって異なり、症状の程度も異なる場合があります。
梨状筋症候群は、坐骨神経痛を伴う他の疾患としばしば混同される場合があるため、正確な診断が重要です。
梨状筋症候群の診断
診断においては、身体検査、画像診断(MRIなど)が行われ、その後、正しい治療計画が立てます。
治療は症状の軽減と原因の解消を目指して行います。
梨状筋症候群の診断と予防
・診断
梨状筋症候群の診断は、患者の症状、身体検査、および画像診断などを組み合わせて行われます。
診断を確定するためには、医師や専門家の指導を受けることが重要です。
症状の詳細な評価
症状について詳細な情報、痛みの場所、強度、症状が悪化する状況、および症状の持続期間など。
身体検査
梨状筋周囲の臀部、腰、および下肢を評価し、特定の触診や運動テストを行って梨状筋症候群を疑います。
画像診断
MRI(磁気共鳴画像)、CT(コンピュータ断層撮影)、X線などの画像診断を使用して、坐骨神経や梨状筋周辺の異常を確認することがあります。
骨盤および脊柱の検査
梨状筋症候群の症状が他の骨盤や脊柱の問題に関連している可能性があるため、これらの領域をチェックする必要があります。
梨状筋ブロック注射
梨状筋に麻酔やステロイドを注射して症状が軽減されるかどうかを確認するために行われることがあります。この手法は診断と治療を兼ねています。
梨状筋症候群の治療法
治療法は、症状の程度や原因に応じて異なる場合がありますが、以下一般的な保存治療になります。
・保存療法
休息
活動を制限し、梨状筋に負担をかけないように休息します。
冷却と温熱療法
急性期の症状には冷却療法(アイスパックなど)を行います。
急性期以降は、筋肉のこわばりを緩和するために温熱療法(温水浴、温湿布など)を行います。
・薬物療法
鎮痛薬
痛みを我慢して非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤(鎮痛薬)を処方する場合があります。
筋弛緩薬
筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減するために使用されることがあります。
・物理療法(理学療法)
リハビリテーションとして特定のエクササイズ、ストレッチ、マッサージ、電気療法、超音波療法などを行い、筋肉の緊張を緩和し、症状を改善させる場合があります。
鍼療法
鍼を使って筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減することがあります。
・注射療法(注射療法)
梨状筋ブロック注射
梨状筋に麻酔やステロイドを注射すると、症状が軽減することがあります。
・外科手術
通常、手術は最後の手段として検討され、他の治療法が効果的でなかった場合に行われます。
手術によって梨状筋の圧迫が解消されることで、症状が改善することがあります。
治療法は個々の症例に応じて異なり、正確な診断と治療計画は医師や専門家に相談することが重要です。
梨状筋症候群の治るまでの期間
梨状筋症候群の治癒までの期間は、症状の重症度、治療法の選択、患者の個別の状態によって異なります。
一般的には、軽度の梨状筋症候群の場合、適切な治療を受ければ数週間から数か月で症状が改善することがあります。
ただし、重度の症状や合併症がある場合、治療期間が長くなることがあります。
以下は一般的な治癒期間の目安になります。
・保存療法の効果
保存療法(休息、冷却療法、薬物療法、物理療法など)が軽度の梨状筋症候群に対して有効である場合、症状の改善が比較的急速に見られることがあります。
数週間から2〜3ヶ月程度で症状が軽減する可能性があります。
物理療法の継続
物理療法やリハビリテーションプログラムを受ける場合、治療の進行によって症状が改善していく場合があります。
治療の効果に応じて、数か月間の継続が必要な場合もあります。
・手術
重度の梨状筋症候群の場合、手術が必要な場合もあります。
手術後、回復期間が必要で、個別の状態によって異なります。
一般的に、手術後の回復には数か月かかることあります。
梨状筋症候群の治療においては、症状の重症度や原因、治療法に適切な治癒期間を要します
梨状筋症候群はブロック注射と手術で完治できる?
梨状筋症候群は、主にブロック注射で筋肉を緩めて一時的な痛みを和らげる治療が一般的です。
痛みを和らげて、筋トレやストレッチ、マッサージなどで筋肉の緊張やこわばりをとれば神経の圧迫がなくなります。
しかし、なかにはブロック注射や鎮痛剤などの効き目がゆるやかな場合もあります。
その場合には、手術をして梨状筋を切開して、神経の圧迫を取り除きます。
梨状筋症候群の手術の流れを解説していくので気になる方はご覧ください。
- 局所麻酔を行います。(会話が可能)
- 臀部の皮膚を切開していきます。
- 梨状筋と坐骨神経を肉眼で見分けてから梨状筋に切開を入れます。
- 減圧ができたら閉創します。
手術自体は難しいものではないそうですが、梨状筋症候群であるか否かを診断することが至難の業だと言われています。
そのため、梨状筋症候群の可能性がある場合は、「どのように動かすとどこが痛む」など、しっかり把握して病院へ行きましょう。
梨状筋症候群のトリガーポイントとは?
そもそも、トリガーポイントとは筋肉のなかにある痛みがある点だと言えます。
トリガーは、「引きがね」でポイントは「点」なので、痛みが出る原因の元のようなイメージを持っていただければと思います。
よくテニスボールなどを使用して、トリガーポイントをほぐして痛みを緩和させる方法が雑誌やテレビで紹介されています。
では、梨状筋症候群のトリガーポイントはどのようにほぐしてあげたらいいのでしょうか?
梨状筋は、体の深層部にある筋肉なので、鍛えたりストレッチを行うことが比較的に難しいのです。
そのため、かたくなった梨状筋をほぐすためには、整骨院でカイロプラクティックの資格保有者に施術をしてもらうことを推奨します。
また、トリガーポイントとはMRIや血液検査で見つけることはできません。
施術をしてくれる方の知識と経験、技術がとても重要になるので、整骨院選びは慎重に行ってください。
しっかりポイントを押さえて施術を行って、自宅でもできる簡単なストレッチなども伝授してもらうといいでしょう。
梨状筋症候群のセルフチェックとストレッチ
梨状筋症候群のセルフチェックとストレッチは、症状の緩和や予防に役立つことがあります。
以下に、セルフチェックと梨状筋のストレッチのいくつかをご紹介します。
医師の診断を受け、適切な治療計画を確立することが重要です。
梨状筋症候群のセルフチェック
坐骨神経に関連する痛みや症状の存在を確認するのに役立ちます。
以下は簡単なセルフチェックの手順です。
・背筋を伸ばし、立位または座位で正しい姿勢を確認します。
立位の姿勢
片足を曲げずに足を伸ばし持ち上げる
座位の姿勢
膝を伸ばした状態で床から、脚を持ち上げます。
痛みやしびれの確認
足を持ち上げた際に臀部や下肢に痛みやしびれを感じたかどうか確認します。
特に臀部や坐骨神経に関連した痛みがある場合、梨状筋症候群の可能性が高いと思われます。
梨状筋症候群のストレッチ
ストレッチは、梨状筋症候群の症状と状態に合わせて行います。
症状が悪化する場合や新たな症状が現れた場合、医師また、専門家の指導を受けながら正しいストレッチを行うことが安全で効果的です。
梨状筋症候群によって、すでに損傷しているものを改善することはできませんが、痛みを緩和させることは可能です。
是非ともストレッチの方法をここで抑えておきましょう。
梨状筋ストレッチ
- 仰向けになりましょう。
- 右足を左膝にのせてください。
- 左の太ももを抱えて体が丸くなるようにします。
- そのまま30秒間キープしてください。
- 反対側も同様に行いましょう。
呼吸をゆっくりと行うことで、筋肉に酸素が運ばれるため効果的です。
寝転がった状態で、梨状筋を伸ばすことができるので就寝前などにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
また、椅子に座ったままでも梨状筋をほぐすことができます。
椅子に座ったまま行う梨状筋のストレッチ
- 椅子に浅く腰をかけましょう。
- 左のくるぶしを右の太ももにのせます。
- 背筋を伸ばして上体を前方に倒してください。
- ゆっくりと呼吸をしながら30秒間キープします。
- 反対側も同様に実践しましょう。
デスクワークなどでお尻に負担がかかっている方も、梨状筋症候群になりやすい傾向があります。
梨状筋への負担を軽減させるためにも、このストレッチを1日に何度か行ってみてください。
痛みが強く、動かすだけで痛かったりしびれたりする場合はストレッチはせずに安静にしておきましょう。
痛みが引いてからストレッチや筋トレを行い、梨状筋にほどよい刺激を与えると効果的です。
最後に、先述したとおり梨状筋のすぐそばに坐骨神経が存在します。
そのため、梨状筋の状態が悪いと坐骨神経が圧迫されたり、ストレスがかかってしまうのです。
梨状筋が硬くならないように適切なストレッチを行って、痛みの発症を抑えましょう。
坐骨神経痛はどうすれば治る?治療と合わせて行うべきセルフケアも紹介
梨状筋症候群の注意事項とやってはいけないこと
梨状筋症候群の注意事項ややってはいけないことについて以下ご説明致します。
梨状筋症候群の注意事項
梨状筋症候群の診断や治療については、必ず医師や専門家の指導を受けてください。正確な診断と正確な治療計画が重要です。
治療計画に従う
医師が提案する治療計画に従って、薬物、物理療法、ストレッチ、または他の治療法を実施してください。
休養と運動
活動制限と休息を正しく取り、長時間の運動や姿勢の悪化を恐れることが重要です。
正しいな姿勢
長時間座っている場合、正しいな姿勢を維持、意識することが大切です。
長時間座り続ける場合には、定期的に休憩することが必要です。
体重管理
肥満は梨状筋症候群のリスク因子となるため、健康的な体重を維持することが重要です。
梨状筋症候群でやってはいけないこと
自己診断と自己治療
自己診断と治療を試みるのは避けるべきです。
梨状態筋症候群は、他の疾患と類似の症状を考えて診断するため、医師に正確な診断を受けてから治療すべきです。
負担と運動
痛みや症状がある場合、重い荷物の持ち運びや運動は避けるべきです。
自己判断による治療
無理なストレッチや物理療法を行うと逆効果となることがあります。
専門家の指導の下、適切な頻度で行うことが重要です。
梨状筋症候群の予防
梨状筋症候群を予防する方法は限定されていますが、以下のアプローチが考えられます:
正しい姿勢
正しいな姿勢を心がけることは、梨状筋に対する負担を軽減するのに役立ちます。
長時間座っている場合、座り方に気を付け、正しい椅子やクッションを使用することが重要です。
適度な運動
適度な運動を行い、筋力と柔軟性を維持することが、梨状筋症候群のリスクを軽減するのに役立ちます。
特に股関節と下肢の筋肉を強化する運動が効果的です。
ストレッチ
日常的なストレッチやヨガなどの柔軟性を向上させる活動を行うことで、筋肉の緊張を軽減し、梨状筋症候群の発症リスクを軽減させることができます。
体重管理
過体重や肥満は梨状筋症候群の体重増加リスクを引き起こす可能性があるため、正しく管理することが予防に役立ちます。
梨状筋症候群は、個人差があり、特定の予防策が必ず効果的であるわけではありません。
症状が現れた場合、早期の診断と治療が重要です。
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