サッカーをする子供に多い股関節の痛み。ストレッチや対処法は?

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「サッカーをする子供に多い股関節の痛み。ストレッチや対処法は?」
サッカーをしていると股関節の痛みを訴える子供は非常に多いものです。
なぜサッカーをする子供に股関節の痛みを訴えることが多いかというと、蹴る動作やダッシュなどの動きで股関節の筋肉を酷使してしまうからです。
せっかくの試合や大会前に股関節の痛みで出場できないなんてことになったら悔しいですよね。
今回はサッカーをする子供に多い股関節の痛み、またサッカー少年に限らず子供に多い股関節の痛みについてお伝えします。
目次
股関節の付け根や外側の痛みの症状と原因
股関節の付け根や外側が痛くなる原因としては、股関節周りの筋肉が固くなり股関節の動きが悪い状態でダッシュやキック動作を続けていると負担が溜まり痛みとして症状が出ることがあります。
特に原因となっていることが多い筋肉として「腸腰筋」と「大殿筋」という筋肉です。
腸腰筋は、股関節を曲げる筋肉でサッカーの動作に非常に重要な筋肉です。
腸腰筋は股関節から腰の骨に付いているので、股関節の付け根に痛みがある場合、この腸腰筋が原因となっていることが多いです。
また、腰にまで筋肉が付いているので場合によっては腰にも痛みを感じることがあります。
大殿筋は骨盤についている筋肉でお尻の筋肉で一番大きな筋肉です。
この筋肉が固くなっていると骨盤自体の動きが悪くなり股関節にも影響が出てしまいます。
股関節の痛みの症状は、初期は動き始めや歩行中に違和感や痛みが出始めます。
それが徐々に酷くなると片足に体重をかけるだけでも痛かったり、靴下を履くのが辛い、最終的には蹴る動作が痛くてサッカーの動作が困難になってきます。
これらの原因としては股関節の動きが固い、疲労が溜まり股関節周りの筋肉が固くなることで股関節の動きが悪くなり負担がかかっていることが大きな問題となります。
少年サッカーをしている子供に多い股関節痛とは?
グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
少年サッカーをしている子供で股関節の痛み、特に股関節の付け根の痛みが続いている場合はこのグロインペイン症候群を疑います。
グロインペイン症候群とは、内モモの内転筋の付着部や恥骨部に過度なストレスや負荷がかかることによって起こります。
単に原因となっている筋肉が固くなっているだけであれば筋膜リリースなどでほぐしてあげると改善しますが、筋肉や組織が癒着していたり、筋力が弱くなっていると長引く傾向にあるので早めに治療することが必要です。
注意すべき子供の股関節の痛み
・化膿性股関節炎
黄色ブドウ球菌という細菌感染によって起こる股関節の疾患です。
発熱を伴い股関節を少し動かすだけでも痛みが生じます。
基本的には手術となるので早期発見・早期治療が重要です。
・ペルテス病
ペルテス病は特に4~8歳ごろの男の子に多く大腿骨の付け根のところの血流障害によって変形や成長障害が起こる疾患です。
ペルテス病は痛みが股関節のみならず膝のあたりまで痛みが出ることがあり膝の疾患としっかりと鑑別することが必要です。
治療としては状態によって異なりますが装具を装着したり手術になることもあります。
・大腿骨頭すべり症
大腿骨頭すべり症は10~15歳の肥満気味の男の子に多く大腿骨の頭の部分がすべってずれる疾患でこちらも手術が必要な疾患になります。
グロインペイン症候群は完治する?治るまでの期間は?
グロインペイン症候群は症状の状態や重症度によって様々なので一概には言えませんが、発症してから数日間で治る人もいれば、1~3か月間ほどで治る人もいれば、中には1年以上治らない人もいますし、サッカーなどその競技を続けている限りグロインペイン症候群と付き合い続けている人もいます。
グロインペイン症候群は完治することは多くあります。
ですが、サッカーや運動をつづけながら治療を行う場合は治るまでの時間はどうしてもかかってしまい、仕事としているプロなどに関しては治療に時間がかかることなどで手術を選択される方もいます。
痛みを感じる前の違和感があるうちや痛みが軽度の内に早めに治療や予防をすることが何よりも大切です。
すぐに治るだろうと放置せずにパフォーマンス能力を下げないためにも一度安静にして立て直すことも重要です。
サッカー少年の股関節の痛みに対するストレッチ
股関節・骨盤周りには沢山の筋肉が付いています。
今回はグロインペイン症候群のみならず股関節全般の痛みに効果のあるストレッチを紹介します。
1.腸腰筋
腸腰筋は股関節周りのインナーマッスルで骨盤の安定性を保つ役割があります。
なので、この腸腰筋がうまく働かないと骨盤がしっかりとせず股関節周りの筋肉に負担がかかりやすくなります。
腸腰筋ストレッチ(初級編)
1、仰向けになりストレッチしたい方の脚は伸ばし反対の膝をかかえて曲がるところまで曲げます。
2、膝を曲げた方の足が最大まで曲げたら伸ばしている脚をさらに伸ばすことで腸腰筋がストレッチされます。(この際、伸ばした脚が浮き上がらないこと、背中をまるめないように気を付けましょう。)
3、15秒~30秒を5回程繰り返します。
腸腰筋ストレッチ(上級編)
1、伸ばしたい方の脚を後ろ側にして膝立ち(膝の角度は90°)をし、前足に体重をかけることで後ろ側の腸腰筋のストレッチをします。
2、この時、背筋は伸ばしおへそを前に出すように体重を乗せることがポイントです。
3、左右ともに20秒を3セット繰り返します。
2.内転筋
内転筋はグロインペイン症候群の原因になる恥骨部に付く筋肉です。
この内転筋が癒着を起こしていたり固くなっているとグロインペイン症候群の痛みの原因になるのでしっかりとストレッチをしましょう。
内転筋ストレッチ(初級編)
1、あぐらの状態で座り両足の裏を合わせて手で持ち、膝を床に付けるように内モモをストレッチします。
2、30秒を3セット繰り返します。
内転筋ストレッチ(ストレッチポールがある場合)
1、うつ伏せになり内モモのところにストレッチポールを置き床に向かって圧をかけます。
2、特に痛い所に圧をかけて30秒間ストレッチをします。
※ストレッチポールがある場合はこちらの方がストレッチ効果が高いです。
グロインペイン症候群に対するテーピングや治療法は?
1.グロインペイン症候群のテーピング
グロインペイン症候群のテーピング法は原因の箇所によって異なりますが、腸腰筋や内転筋に筋肉に沿って貼るやり方があります。
ですが、テーピングを貼ると多少楽にはなりますが、股関節に張るのは大変なのでグロインペイン症候群に対してはあまり効果的とは言えません。
貼る場合はどうしても試合に出たい場合や痛みが強い時のみにするといいでしょう。
2.グロインペイン症候群の治療法
グロインペイン症候群を治すために必要なこととして
・腸腰筋・内転筋の癒着や拘縮を改善する
・股関節の可動性や柔軟性を改善する
・股関節だけに負担がかからないような身体づくりを行う
慢性的にもなりやすいグロインペイン症候群を治すためには特にこの3つが必要な治療になります。
また、鼠径部周辺に痛みを感じたら放置せずにまずは安静にすること、脚を傷めた状態で無理にプレーして身体のバランスを崩さないこと、運動前・運動後にはしっかりとストレッチをすることも重要です。
まとめ
グロインペイン症候群はまだまだ認知されていない疾患でもあります。
長い期間股関節の痛みがある場合はもしかしたらグロインペイン症候群かもしれません。
また、子供の股関節の痛みは、子供の成長過程でしか起こらない疾患もあるので長期間痛みが続くようであったり、痛みが強い場合は早めに医療機関で診てもらうことをオススメします。
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